浄化槽の役割と保守方法を解説
家を建てるけど、下水道が来てないみたい。さすがに、すっとん便所じゃないよね?
下水道が整備されていない地域では浄化槽と呼ばれる処理施設を個人で宅地内に整備するよ。
浄化槽・・・聞いたことがあるけど、どういうもの?
それでは本日は浄化槽を説明していきます。
浄化槽は、家庭や施設で排水を浄化する重要な装置です。
日本の下水道整備率は約80%と呼ばれています。
では、残りの約20%のところの汚水処理はどうしているでしょうか?
よく昔あったすっとん便所になるかというと、違います。
住宅地では浄化槽と呼ばれる浄化処理施設を自分の敷地内に設置し、家で出た汚水・雑排水をきれいにして側溝や河川に流します。
この記事では「浄化槽」に焦点を当て、浄化槽の基本知識、設置と管理方法、トラブルシューティングまで幅広く解説します。
浄化槽に関心のある方や今後設置を検討している方にとって役立つ情報をお届けします
そういえば小学校の授業で水の旅という授業がありました。
水は雨から始まって宅地・住宅へ降った後、下水道へ排出され下水道から市区町村が管理している排水の終末処理場へ行く。処理場で水が浄化されて川や海に戻して、また雨となって水は戻ってくる、という話でした。
校外学習で、市区町村が管理している排水の終末処理場へ行った方も多いはず、そんな浄化設備の個人版が浄化槽です。
なんかすごいですね。
1. 浄化槽の基本知識
浄化槽とは?
浄化槽は、微生物を使った汚水処理を行うものです。
また、主に下水を処理して綺麗な水にして排出することから環境への負荷を軽減する施設とも言えますが、浄化槽の設置や運用には特定の基準あり、維持管理も欠かせない処理施設です。
浄化槽の仕組み
浄化槽の仕組みは、3つのプロセスに分かれております。
①最初の槽に汚水を流入させ、固形物を分解・貯蔵します。また、微生物の力を借りて汚れ(有機物)を分解します。
②2つ目は①とは別の微生物で有害な物質を分解・浄化するプロセスです。その際は、送風機を使って酸素を送って微生物の働きを良くさせ汚水の浄化を行います。
③最後に固形塩素剤で消毒して放流します。
分解は微生物にお任せ
浄化槽は汚れを分離させ、微生物の働きにより浄化させると説明しましたが、その微生物は2つの種類を使い分けています。
先ほどの図でいうと、左側の一次処理槽では、酸素が解けていない状態で生きている微生物の力を借りています。
右側の槽では送風機で空気を送っているように、酸素が必要な微生物が汚れ(有機物)を分解しています。
2種類の微生物には名前があり下記の通りに分けられています。
ブクブクの機械はブロワという名前です。
浄化槽の維持管理の重要性
浄化槽の維持管理は、定期的な清掃や点検、更新作業が含まれます。
維持管理を怠ると浄化槽の機能が低下し、周囲の環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
環境への配慮と安定した運用のためには、常に維持管理を徹底し、沈殿の適切な処理・微生物の安定的な繁殖が必要です。
2. 浄化槽の設置と管理
浄化槽の設置方法
浄化槽の設置は、環境への配慮や地域の条例に沿った形で行われる必要があります。
設置時には、検査や保守点検の規定を遵守されているかの検査が使用開始から3か月経過してから5か月以内に水質検査が必要になります。
助成金や補助金を活用することで、設置費用を軽減することができますよ。
浄化槽の保守点検・清掃法
浄化槽の保守点検や清掃は、定期的に行うことが必要です。
定期点検と清掃が原則として年1回するように義務づけられています。
定期検査は外観検査・水質検査・書類検査と別れております。
なお、清掃作業では、汚泥や異物の取り除きや機器の清掃を行い、浄化槽の効率的な運用をサポートする効果があります。
また、機器の動作確認や微生物の状態を確認し、問題があれば早期に対処することが重要です。
浄化槽の助成金や補助金について
浄化槽の設置時には、自治体や環境省からの助成金や補助金を活用することができます。
助成金や補助金の対象条件や申請手続きについては、事前に確認する必要があります。
これらの支援制度を活用することで、浄化槽設置の負担を軽減できます。
3. 浄化槽のメンテナンス
浄化槽の蓋
浄化槽の蓋は、劣化や破損することがあります。
蓋の交換は、専門業者に依頼するか、適切な工具を使用すればDIYで行うことができます。
ホームセンターで確認をしましょう。
ブロワ(送風機)
浄化槽にあるブロアの耐用年数は5~10年程度とされています。
性能としては単に浄化槽に空気を送り込む機械になり、DIYで行うことも可能です。
専門業者に依頼するにもそれなりに費用はかかりますので、知り合いの設備屋さんから破棄されるブロアーを安価で購入し交換することもよいかもしれません。
4.まとめ
すっとん便所の時代は、トイレの汚水以外の雑排水(お風呂・洗面台など)はそのまま河川等に放流していました。そうすると、水質汚染によって環境に悪影響を及ぼしておりました。
現状の浄化槽では汚水はもちろん雑排水もすべての水を浄化してから流すことことは環境保全や快適な生活のために欠かせません。適切な知識と対応を行い、安全かつ快適な環境を築くために努めましょう。