分譲マンションの決議
住んでいるマンションが古くて、ずーと住めるのかな。
都心では古いマンションを建て替えたというニュースもあるよね。
そういえば、それってどんな仕組みなの?
マンションだから、決議が必要なるけど、今日はその話をしていこうか!
分譲マンションはちょっと特殊ルール!?
分譲マンションというと駅近にあって広い共用スペースやエントランスなどがあって、まるでホテルみたいですよね。そんなキレイな分譲マンションに憧れる方も多いはず。
そんな分譲マンションですが、これまで戸建てで育ってきた人にはイメージがつきづらいのではないでしょうか。
さまざまな人が同じ建物に共同生活する分譲マンションは、ちょっと特殊な法律が適用されます。
通常の生活の問題などを取り決めしてあるのは民法ですが、こと分譲マンションについては区分所有法という法律が適用されます。
難しそうな区分所有法ですが、大して難しくないです。一言でいえば分譲マンションで暮らす上で最低限のルール集というものです。内容としては、共用部分の使い方、敷地を利用する方法、管理、規約・集会ルールなどなど。
内容を見るとなんかそこまで難しそうでないですよね?マンション生活のルールブック、てな感じです。
集会
分譲マンションのイメージは小さな村。村だから、イベントは村長と村民が一緒に企画して実行をします。また、決め事はみんな話し合いや決議をとります。
みんなで話し合いをすることを集会と言います。また、物事を決めるときは集会で決議を必要になりますが、テーマによって決議要件は様々。
テーマ | 賛成数 |
管理者の変更、小さい変更、小さい復旧など | 過半数 |
規約の変更、大規模な復旧など | 4分の3 |
建替え | 5分の4 |
大体のことは過半数の決議で良いのですが、お金が沢山掛かることや重要なことを決めるときは過半数の賛成だけではなく、賛成数がどんどん多く必要になります。
大規模な復旧などには4分の3以上の賛成数、マンション建替えについては賛成数が5分の4以上とほぼほぼ全員の賛成が必要なのでは?という決議が必要になるのです。
区分所有者数と議決権
前の章で賛成数が過半数必要だとか、4分の3必要とかお伝えしたのですが、単に総会に来た方の賛成数を数えるのではないです。厳密にいうとある2つの要件を満たさないといけないのです。
その要件とは区分所有者数と議決権です。賛成数には、この区分所有者数と議決権を共にクリアされる必要があります。
議決権:全体の中から自分が所有する専有部分の床面積割合。
区分所有者数:分譲マンションの所有者の数、つまり定員のこと。
議決権が専有面積割合というのは、分譲マンションの中で専有面積が半分であれば半分の議決権があるということ。でもそうですよね、建物のうち半分の床面積を持っていたらその分、分譲マンションの半分の権利はあるということは理解できます。株式会社でいうと議決権とは、株の持ち株数となりますので、株数に比例してその会社の権利を持っていることになります。
区分所有者数とは株式会社の場合、単に株券をもっている人の数のとなりますね。
※集会の賛成数がちょっとややこしいのですが、決議には賛成数が区分所有者数と議決権の要件を共にクリアしないといけないことになります。
賛成数のちょっとした問題点
ほとんどの決議ではあまり問題がないのですが、マンションが古くなって建替えをしたいとう声が出てきたときに、前章の賛成数が小さくない問題になります。
建て替え決議の賛成数要件は、区分所有者数と議決権の5分の4以上ですが、そもそも建替えをしようとするマンションですので築50年60年の古いマンションです。そういう古いマンションは、ずっと空き家で所在不明の方などが結構います。
仮に、議決権を5分の4以上の床面積を持っている方が建替えを提案して、決議を取ろうとしても、他の5分の1の議決権を持つ区分所有者が沢山いて半分以上が、所在不明で連絡がとれない場合、建替え決議が出来ないことなります。
2024年に法改正!?
実はマンションの建替えは議決権の要件が結構ハードルが高いのネックでした。そうですよね、行方不明を探したり、反対の方を説得して賛成数を集めたりとをしないといけないのですから。実際に建替えするケースは少なく現実的に難しいという話もありました。
そこで朗報?
どうも2024年に区分所有法が改正になる様子です。今後は、建替えの賛成数要件が所在がハッキリしている方の中で4分の3以上に緩和する報道もありました。これまで難しいと言われていた建替えが今後は容易になるかも。
できれば容積緩和も・・・。
古いマンションが建替えとなればちょっとした開発ですのでその地域のほか町全体も活性化します。いいことづくめかというと、1つ問題があります。それは建て替え費用、つまりお金です。
建て替えは無条件でお金もかからず出来るわけがないので、建替えとなれば区分所有者は費用を用意しなければなりません。みんなの費用を少しでも下げようとするために、ちょっとした裏ワザを使えないかという方もいます。
その裏ワザとは・・・今までのマンションより高い階数のマンションを建てれるように容積率の緩和をすることです。この容積率の緩和をすると、例えば、これまで5階建てだったマンションが8階建てになるとどうでしょうか。同じ土地なのに多くのお部屋ができるようになり、新しく建てた6階~8階部分を販売して、その利益分を区分所有者に還元できれば、他の区分所有者の負担も軽減できるということです。
確かに、同じ土地なのに高く建てられるとは裏ワザ・・・。