道路と容積率の関係
子供のときに外で遊んだ場所はどこですか?ドラえもんのように空き地でしたもあるかもしれませんが、ほぼ100%の方は家の前で遊んだことがあると思います。
チョークで絵を書いたり、サッカーをしていたな~
そんな日本人には遊び場でもある道路ですが、不動産の中では超重要な存在。不動産の価値は道路で決まると言われているくらい。
今回はそんな道路を説明していきます。
不動産屋が一番気にするのが道路
不動産業者は不動産(家やマンションなど)の調査をする際に一番よく調査するところは、不動産の前にある道路(いわゆる前面道路)です。
というのも、道路の幅はどれくらいあるかによって対象の不動産の価値が大きく変わることと、道路の種類が公道(市道)か私道かにもよって不動産の価値は変わっていくからです。
道路の幅と不動産価値の関係は容積率という存在がキーとなります。
容積率とは!?
行政は街づくりする際に、このエリアはこれくらいの高さの建物を上限にしよう、あのエリアはこのくらいの高さねと規制していきます。これが容積率といわれるもので、容積率が大きければ大きいほど高い建物が建てられます。
容積率は土地の何倍の建物が建つのかを表示しています。2倍なら200%と表示されます。3倍なら300%となります。
一般的には駅前が容積率が高くて、郊外に行けば行くほど容積率は低くなります。
さて、この容積率ですが、同じエリア内であれば一律かというと実は違います。設定されいる容積率を最大で容積率を活用できるかどうかは前面道路の幅員によって変わりますし、前面道路が狭いと近所よりも低い建物しかたたなくなる等が決まるのです。
下の図だと〇の上部に書かれている数字が容積率です。
道路が広ければ広いほど建物が高層化する
エリアによっては前面道路が4mか6mかでその土地に建てられる建物高さが違ってきます。比較的低層のアパートか、それとも高さがあるマンションか・・・それは不動産の分かれ道・・・。
皇居で確認すると・・・。
具体的に道路幅が容積率にどんな影響があるか見ていきたいと思います。ケーススタディとして恐れ多いのですが皇居を上げたいと思います。
ランナーならお馴染みですね!
皇居は下の図だと中央にある大きな緑色になっているのが皇居です。
薄い緑色は凡例を見ると、住居系の用途地域の「第一種住居地域」で容積率は300%になります。
容積率が300%ですので通常は土地に対して3倍までの建物が建つということ。
さて、30坪の土地があったら300%の床面積90坪の建物が建つとなるのですが、道路が4mと6mでは適用される容積率は実は違います。
道路幅 | 計算式 | 適用容積率 |
4m | 4m×0.4= 1.6 ≒ 160% | 160% |
6m | 6m×0.4= 2.4 ≒ 240% | 240% |
どうでしょう。道路幅が広いほど容積率は高くなりました。これがマンションも建てられる土地ですと、より大きな高いマンションができるわけで販売出来る戸数が多いということになります。結果的に低い建物しか建てられない土地と比べ、容積率が高い土地の方が土地の価格は高くなります。
道路は4m以上・・・?
道路を規定している建築基準法では道路は4m以上となってます。
あれ!?結構狭い道路もあるよね。
そうそう、今は狭くていいから将来的には道路は4mにしてねとなっているのだよ。結構時間がかける壮大プランだよね。
昔ながらの町では結構道路が狭いところが多いですよね。風情もあっていいのだけど、万階一火事が起きたときに消防車が入れないなど困ることも多い。だから、道路は4mと規定しています。
でも、4m未満の道路て結構ありますよね。それを国家権力で全部の道路を4mにとは国民の生活もあるからしないのですが、将来的に家を建て替えるときは前面道路を4mになるように道路幅員を確保してねとなってます。※これをセットバックといいます。
これって冷静に考えるとすごいことですよね。建物の建て替えて白物家電のように5年や10年で交換ということはないから、50年、もしくは100年先という壮大な道路改革ですよね。