不動産の知識

私道トラブルとは?隣近所問題を事前に回避する方法

shaun@ymail.ne.jp

何気なく通っている道路。ただ、一言に道路と言っても色々な種類があります。

今回は知らなかったでは遅い私道トラブルについてがテーマです。

住宅を持つうえ最低限知っておきたい私道のことを説明し、事前にトラブルを回避できる方法についても説明していきます。この記事を通じて私道に関するさまざまな疑問や不安を解消する手助けとなることを願っています。

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私道と公道の違い

私道(しどう)とは、一般的に個人や企業が所有する道路を指します。対して、公道は国や地方自治体が所有し管理されている道路です。

公道は誰でも自由に使用できますが、私道は私的な所有物になりますので、所有者の許可なく使用できないことが多く、使用には制限があります。この違いが私道に関連するトラブルの根本原因となることが多いです。特に、私道は私有財産として扱われるため、その管理や使用権について所有者の意向が大きく影響します。さらに、私道の管理責任は所有者に求められます。

ション
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公道の市道も”しどう”と呼びますので、紛らわしいときは 私道を”わたくしどう”、市道を”いちどう”と呼びます。

私道トラブルで多い形態-位置指定道路

住居でのトラブルが多いケースで街中よく見かけるあるとして位置指定道路という私道があります。

ネコさん
ネコさん

位置指定道路?

なかなか馴染みがないワードですが不動産業界ではみんな知っている道路です。

こんな形の道路と住居を街中で見ませんか?

出典:位置指定道路/ひたちなか市

特徴は家と家の間に道路があって、道路は行き止まりになっているものです。これが位置指定道路と呼ばれています。

言われてみればあった気もしますよね?

さて、位置指定道路は何がトラブルになるかというと、そもそもこの道路が私道であることを認識してないことがでトラブルに発展することもあります。

あくまで私道ですので道路を持っている所有者の意向が大きく影響します。その認識をもつことが大事です。

また、道路の所有形態が問題になりやすいのです。

この位置指定道路は1つ1つの家の出入りに必要な道路になりますので、道路の土地を細かく分筆して所有することが一般的ですが、その道路の持ち分の場所が悪かったりするのもトラブルに発展する要因になります。

道路持ち分の形態はさまざま

位置指定道路はそこに住む方のみんなの道路になりますので均等に道路の持ち分が住居所有者が持つことが多いです。

ただ、他にもさまざまなパターンがあります。下記には一例を用意をしました。

出典:位置指定道路とは?私道・公道との違いは?設定や廃止、固定資産税の支払い方まで、土地売買する際に理解しておきたいこと/suumo

位置指定道路を中心に関係する住民で均等に道路部分の持ち分があればよいのですが、過去の経緯から5・6のように特定の方が道路部分を持つケースもあります。

もし位置指定道路に面している住宅を検討する際には注意して見てみてください。

ション
ション

因みに、道路を細長く切った形の持ち分にしたケースもあります。

私道による一般的な事例

私道に関するトラブルは多岐にわたります。例えば、隣接する土地の所有者が無断で私道を利用するケースなどなど。これらのトラブルのほか、よくあるトラブルをご紹介します。

駐車トラブル

私道での駐車トラブルは非常に一般的です。私道は所有者の土地であるため、無断駐車は即座にトラブルの原因となります。特に、私道が狭い場合や車の通行が頻繁な場合、無断駐車が他の所有者や利用者に大きな迷惑をかけることがあります。

ション
ション

まず駐車に関するルールを定め、所有者間で共有することが重要です。

通行料を巡るトラブル

私道を通行するための通行料がトラブルの原因となる場合があります。私道の所有者が他人の通行に対して通行料を請求することは法的には認められていますが、その金額や請求方法についての意見が対立することがあります。

持ち主不明の私道における工事問題

持ち主不明の私道での工事は非常に厄介な問題です。私道が老朽化し、修繕が必要になった場合、所有者が不明だと修繕費用の負担者が決まらず、トラブルが発生します。また、工事のために掘削が必要な場合も、承諾なしに行うことは法的に問題となります。

このような事例を知ることで、トラブル発生時に迅速かつ適切に対応するためのヒントを得ることができます。また、私道の所有者が複数存在する場合には、共同での対策が必要となることが多いことも理解できます。過去の事例はインターネットや図書館、市役所のアーカイブなどから収集することができます。

私道の所有者とその調べ方

私道の所有者を調べるには、まずは法務局で登記簿を確認することが一般的です。登記簿は誰でも閲覧可能で、そこには私道の所有者や所有権の詳細が記録されています。他にも、不動産仲介業者や地元の自治体に問い合わせれば、所有者に関する情報を得られる場合があります。特に相続や売買などで所有者が変わっている場合もあるため、最新の情報を確認することが重要です。登記簿の確認作業は少し手間がかかるかもしれませんが、トラブル防止のためには欠かせない手続きです。

ション
ション

法務局に行かなくても登記情報はに取れるから楽だよ。ただ、慣れてないと調べづらいから職員がいる法務局がいいかも。

私道トラブルを避けるための予防策

私道トラブルを予防するためには、まず、所有者や利用者がその権利と義務をしっかりと理解することが必要です。また、私道の利用に関するルールを明文化し、関係者全員に周知徹底することも重要です。

さらに、出来れば定期的なコミュニケーションを通じて、問題が発生した場合には早期に対処することが求められます。定期的な会合を開くと良いでしょう。

知恵袋などの情報源を活用する

インターネット上の知恵袋や掲示板などを活用することで、私道トラブルに関するリアルな情報や他の利用者の経験談を収集することができます。

例えば、YAHOO!知恵袋や掲示板サイトでは、同様のトラブルを経験した人々からのアドバイスや解決策が掲載されていることが多いです。これらの情報源を参考にすることで、自分のケースに合った対策や予防策を見つける手助けとなります。

ただし、インターネット上の情報は信憑性に欠ける場合もあるため、情報の取捨選択は慎重に行う必要があります。特に法的な問題に関しては、最終的には弁護士や専門家のアドバイスを仰ぐことが推奨されます。

まとめ

私道の利用に関するルールを明確にし、所有者間で共有することが重要です。そのためには、私道所有者同士の良好な関係を築くことが大事です。

といっても人間関係が難しいのも事実。

まずは一般的ですが日常的なコミュニケーションが欠かせません。もちろん定期的に会合を開くことも重要ですが、日ごろのコミュニケーションから関係を良好に保つことを心がけましょう。

問題が発生した場合には感情的にならず、冷静に話し合いを行い、解決策を見つける努力を続けることが求められますのでお互いの立場を理解し、協力し合う姿勢が信頼関係を築く鍵となります。

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ション
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不動産好きのファイナンシャルプランナー
◆10年近く不動産の仕事に携わる。マンション・戸建ての売買や倉庫・店舗・アパートの賃貸など広い領域で仲介実績あり。 ◆保有資格:1級ファイナンシャルプランナー技能士、宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者
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